中小企業にはアセアン進出が必要ー②

アセアン各国は高度成長時代の日本の成長速度を超える

 

自社の経営資源や市場を検討することで、現状の事業をより拡大していくことがいまのところ可能であ としても、マクロ的にみたときの日本そのものに 対する将来への判断も同時に行っておく必要があります。ここで、マクロとは、国内外の人口動態、経済活動、政治、世界情勢、他国のマーケット等であったりします。
これらを考慮し、自社の経営資源や市場の検討成果を、マクロデータと重ね合わせ、日本の3年先、5年先の状況を予測することが必要です。

就業人口が減少し、経済成長率を落とす日本だけではなく、海外にも目を向けることが必要であることが分かります。
とりわけ、人口6億人を超える東南アジア諸国連合、アセアン各国の動向はとても重要です。アセアンの一人当たりGDPは日本と比較して、とても小さく、まだまだ発展の余地があるからです。

ここで留意しなければならないのは、所得層の分類です。アセアン各国の国民が押しなべて低い所得のなかで生活しているのではなく、日本の一人当たり所得を凌駕する所得を得ている層から、かなり低い所得しか得ていない層までが幅広く分布しているのであり、平均的な日本人以上の生活レベルの国民も数多くいるという事実を知らなければなりません。
文化度についても国内外で学び、優れた知見をもった富裕層に該当する国民が一定数いることも事実です。
多様な市場の中で経済が成立していることは、日本企業が事業展開を図るときにとても重要な要素だと考えています。

その状況は、まさに日本の高度成長時代と類似していますが、日本が先頭を切って国力を身に付けた時代と比較して、模範とする国々が数多くあり、先進国のナレッジを容易に導入できる現代のほうが、より早い速度をもって国力をつけることが可能です。

手遅れにならない今のうちから、縮小する日本市場と並行して、日本の歴史をさかのぼることができるアセアン各国への展開を考えることが重要だと思います。