中小企業にはアセアン進出が必要ー③

 

アセアン市場を日本市場の延長としてとらえる

img_0日本がたどった成長の道を粛々と、しかし我々よりもより早く進むアセアン各国は、バラつきあるものの、益々そのスピードをあげて発展しつつあります。

シンガポールやブルネイは日本の一人当たりGDPを抜いていますが、いずれタイやマレーシアも同じ位置に、自国経済を引き上げていくでしょう。

政治的に安定してきたミャンマーもタイの影響や中国、韓国の支配権のなかで、これから高い成長をしてくることはいうまでもありません。
文化的に日本人と親和性があるベトナムも9000万人の人口を背景に、大きく成長してくるだろうことは現地にいるとよくわかります。
ラオスやカンボジアは小国ですが、例えばカンボジアの首都プノンペンの発展ぶりには目を見張るものがあります。
フィリピンは言語が英語であることから、一定のリスクを排除すれば事業展開が困難な場所ではありません。
インドネシアは2億人を超える人口を背景に、益々発展していくことでしょう。
自社の経営資源やターゲットとする市場に合致した国を、これからの事業展開の場として俎上に乗せ、日本市場の延長線上に置きながら計画を練ることが必要です。
もちろん、異なる各国の文化や歴史、宗教や国民性を考慮した事業展開を行わなければならないことはいうまでもありません。清濁併せ呑むことも含め、日本国内で事業展開を行うことに比してアセアン各国での展開が容易でないこともたくさんあり、アセアンがバラ色の世界ではないことはいうまでもありません。

しかし、単一民族である日本人が、人口の減少する日本において、このままの状態でいてよいわけがありません。
いまこそ多様な人種をもつアセアン各国で、日本の優位性を発揮し、彼らに喜ばれる新しい取り組みや、新しい事業をつくりあげることが必要です。
挑戦せず、益々小さくなる市場にしがみつき、拡大のチャンスがあるにも関わらず、目を閉じて内向きに生きていくのか、海外に出て、新しい日本人の生き方を見つけていくのか。
日本が国家存亡の危機にあると認識し、国をあげてアセアンの市場で事業を展開することが必要だと思います。